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第22話 聖女労働契約、黒インクだらけ

Auteur: 夢見叶
last update Dernière mise à jour: 2026-02-25 20:07:54

 翌朝、王宮の小会議室は寝不足の匂いがした。

 窓の外には、まだ薄く、空に残像みたいな神託文字が漂っている。昨日、大聖堂の天井いっぱいに現れたあの一文。

【聖女労働契約:重大違反を検出】

 あれを見た瞬間のざわめきが、今も壁に染みついている気がした。

「聖女殿。こちらへ」

 呼ばれた席は、なぜか末席寄り。形式上、私は当事者で、原因でもあるらしい。

 テーブルの上には巻物が山。重い。前例という名の重石が、こうして物理で置かれる世界だ。

 グスタフ王は額を押さえ、クロード宰相は咳払いで時間を稼ぎ、大神官長アグナスは硬い笑みを貼りつけている。

 セルジュだけが、いつも通りの無表情で私の隣に立っていた。目が合うと、ほんの少しだけ、安心したようにまぶたが緩む。

「まずは状況整理を――」

 宰相が口を開いた、その瞬間。天井が白く瞬いた。

 ドン。

 落ちてきたのは光ではなく、分厚い本だった。机が震え、インクの匂いが立つ。

 表紙に、黒々と刻まれ
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